パッソがライバル車の中から選ばれる理由

ライバルといっても女性向けのリッターカーというのは、このパッソ1台しかありませんので、そういった車がいいと言う方であれば選択肢はないでしょう。

多少なりともエンジン排気量に融通が利くのであれば、三菱のミラージュとかトヨタのポルテという選択肢も出てきます。

ミラージュは1.2リッターエンジンを搭載するモデルで燃費面もポルテに勝ると劣らない性能を持っています。

しかし、販売戦略的には女性向けとなっていますが、デザインが三菱らしいスパルタンさを若干持たせていることもあって、女性的ではないので、好みが分かれるかもしれません。

一方、ポルテはエンジンこそ1.5リッターエンジンと大きくなってはいますが、女性が好むようなデザインを持っているのでそういった面ではいい勝負でしょう。

しかし、スライドドアを持つということや実際の需要傾向を見るとパッソはどうやらママさん車のようで、子育て中のお母さんが子供の送り迎えとか一緒の買い物に行ったりといったことに使うような車に仕上げられているので、パッソのメインターゲットとなる独身女性などには向かないかと思います。

それから燃費面ですが他のライバルモデルも決して燃費が悪いわけではありませんが、パッソのカタログ燃費はやはり驚異的です。

実燃費が平均して20km/L程度であったとしても購入する側としてはカタログ値として公表されている数字を信じて選ぶのでこれは大きな武器となります。

パッソをトータルで見るとトヨタの販売戦略の巧みさを感じることにもなります。

パッソを一台の車として見ると、燃費がいいだけで、エンジンも非力ですし、サスペンションも軽自動車レベル、キャビンも広くないといったようにはっきり言って何の魅力もない車です。

しかし、パッソを女性ユーザーをターゲットにおいて、可愛らしいデザインやドレスアップモデルの設定、燃費の良さを前面に出すといった形で売ることによって、車に走行性能や動力性能などを一切求めない、見た目だけで選ぶ、燃費性能だけは気にするといった女性の車の選び方にピッタリあわせているのです。

買う側の要求に売る側が応じたものを作れば、いくら性能が悪くても売れないモデルでもそこそこ売れてしまうのです。

こういったいわゆるトヨタの巧みな販売戦略によって、女性ドライバーはパッソを選ぶようになるのです。

ですので、女性ドライバーが車を選ぶ時には必ず車に詳しい人間と一緒に候補選びをすると間違いのない車選びをすることができます。

その上でパッソがいいと言うことであれば何ら問題はありませんが、販売戦略に乗せられた形で購入してしまうと後で後悔することになります。