トヨタアクアは評判が悪い！？

アクアはそもそも車としての評価をすべき車ではありません。
なぜなら、お金がなくてプリウスが買えない方向けに作られた車ですので、この車の目的はそういった方が気軽に購入できることです。

ある条件によってその車を買うことができない人達に対して、「これなら買えるでしょ」的に作った車のことを「当て馬モデル」などということがありますが、アクアはまさにプリウスの当て馬モデルであるため、目標となることを満たせていれば、最高の当て馬モデルとして見ることができるわけです。

とりあえず現状ではアクアはよく売れているので、そういったことから見ればこの車の評判はいいといっていいでしょう。

ただし、この車を当て馬モデルとして成功したか否かではなく、1台の車として見るとなると決して大成功とは言えないようです。

メリットとデメリットを見ていきましょう。

メリットは・・・まずは燃費性能がいいこと、カタログ値では最大で38km/L、標準的な装備を持つグレードで34.4km/Lとかなりいい数字となっていますし、実燃費においてもさすがにカタログ値というわけではありませんがそれでもなかなかの数字となります。
ガソリン代はかなり節約することができるでしょう。
次に価格帯ですが、標準モデルであれば約190万円から200万円を少し超える程度の金額となりますので、買いやすいというのもメリットでしょう。
残念ながらメリットはこれだけです。

対してデメリットですが、こちらはたくさんあります。

まずはまったく走らないです。
まるで軽自動車みたいです。

アクアのパワーユニットは1.5リッターNAミラーサイクルの1NZ-FXE型エンジンと1LM型電気モーターの組み合わせとなっていますが、パワースペックはエンジンが74ps、電気モーターが61psとなり、システムパワーも100psとかなり非力であることがわかると思います。
リッターあたり100psが今や当たり前の中で、いくら「低燃費に徹しています」と理由をつけてもこのパワーでまともな走りなどできません。
軽自動車ですら最低でもリッターあたり80psは出ているのに、アクアのリッターあたり66psはひどい数字です。

それから動力性能だけでなく、走行性能もよくありません。
その原因を作っているのが、剛性の無いフレームと廉価モデル特有のチープな足回りです。
限界がかなり低いので、無理なスピードでコーナーに突っ込むということができませんからむしろ安全なのかもしれませんが、いざという時にフロントが逃げて強アンダーステアやリヤが破たんして強オーバーステアになってしまうのはかなり怖い思いをすることでしょう。

加えてチープな足回り、特にリヤサスペンションとして用いられているトーションビームサスペンションは、ショックアブソーバーの減衰力が弱くされていることからバタバタを暴れてしまいそれが乗り心地の悪さに繋がっています。
まるで一昔前のコンパクトカーのようです。

それとこれはたぶんデメリットの中で一番のデメリットとなることでしょう。
故障の多さです。
アクアに搭載されているハイブリッドシステムTHS-IIは、故障がとにかく多いハイブリッドシステムとして知られており、1年もたたないうちにやれバッテリーだ、やれインバーターだのといろいろなところが壊れてしまいます。
5年か10万キロの保証期間内であればすべて無償で直すことができますが、保証期間を過ぎた後は30万円以上の修理費用が掛かることを常に頭に入れておかなければなりません。
賢い方は、3年目の車検の時に売ってしまうそうです。

こうしてみるとアクアという車は、「プアマンズ・プリウス」としては大成功を収めた優れた車ということができますが、1台の車として見るとあまりいい車ではないことがわかります。