ソリオの評判が悪い？ ※キャビンの広さはこのクラスで１番だが・・・

ソリオはご存じのとおり、大変人気のあるモデルです。

ダイハツからトールが発売され、それがグループ企業で販売されるようになってからは少し落ち着きましたが、それでも依然として高い人気を持っていることには違いはありません。

このモデルが大人気になっている、あるいはなっていたのにはいくつかの理由があります。

その一つがもうすでに過去形になってしまいましたが、コンパクトカークラスで唯一のスーパーハイトワゴンであったということです。

このクラスの車といえば、スイフトやパッソ、ブーン、フィット、ノート、ヴィッツのような5ドアハッチバックスタイルのボディを持つ車が一般的です。

これは小さいボディ寸法の中で一番広く使える、一番使い勝手がいいということでどの自動車メーカーも使っているわけですが、このクラスにはもう一つ求めていかなければならないものがあって、それが軽自動車と競合する点なのですが、燃費性能です。

燃費性能を向上させるにはいろいろな要素が必要となります。

エンジンやトランスミッション、低燃費技術などがありますが、その一つに空力抵抗というものがあるわけです。

要するに走っている時に前からあたる空気が車を止めるために力を発揮してしまうというものです。

当然ながらこの空気抵抗が少ない方が同じガソリン量を使った走った時により長く走れますし、より高いスピードを出すことができるので、これが高いと余計にアクセルペダルを踏むことになり、燃費が悪くなってしまうのです。

そこで各自動車メーカーは使い勝手を犠牲にしない程度の大きさとし、それを突き詰めるとハッチバックボディというものに落ち着いたわけです。

しかしこのハッチバックボディ確かに必要最低限の使い勝手は持っていますが、やはりキャビンが狭いということで、たとえばフル定員で乗る時、かなりファットな人が乗る時、荷物をたくさん積む時などに不都合な点が出てきてしまうのです。

そこでスズキは軽自動車のパレットやスペーシアでとった全高を高くするという手段を取ったのです。

もちろん他の部分、たとえばエンジンルームを小さくしてその分、キャビンを広げるとか、ボディパネルを切り立った形でとる付けるといった対策を取り、全高を高くしたことで広いキャビン寸法を取ることができるようになったわけです。

ライバルが出た中でもこのキャビン寸法の広さはこのクラスで一番で、特に室内高の長さは特筆できます。

それからもう一つ大きなメリットとなるのがハイブリッドモデルがあることです。

ハイブリッドシステムを持つ自動車メーカーは複数ありますが、あのハイブリッド天下のトヨタですら、1.5リッター以下のエンジンに対応することができるハイブリッドシステムを持っていない中で他の自動車メーカーが持っているわけがありません。

しかしスズキは持っていたのです。

スズキは軽自動車において、エネチャージといういわゆる充電制御システムとアイドリングストップをあわせたような技術を持っており、その時点では発電機とスターターモーターを一つの電気モーターでまかなうという形をとっていたのですが、その電気モーターにもう1つ、エンジンのアシストを行うという機能を追加して、燃費の向上を目指そうとしたわけです。

これがS-エネチャージと呼ばれるものでこの時点でハイブリッドシステムが完成したわけです。

ただ、このS-エネチャージは高負荷時のエンジンに対するアシスト機能しか持っておらず、よく言われるハイブリッドシステムのような電気モーターだけでの走行、いわゆるEV走行ができませんでした。

そこでスズキは走行用としてもう一つ電気モーターを追加して低速走行時だけEV走行ができるようにしたのです。

これがソリオに搭載されているハイブリッドシステムです。

これによって1.2リッターエンジンでありながらカタログ燃費で最大32km/Lを発揮させることができたのです。

このシステムは後発のトール4兄弟モデルにはないもので、燃費性能もソリオがクラスナンバーワンとなっています。

逆に大きなデメリットとなるのはセンターメーターです・・・いい加減もうやめましょう。